彰の部屋を漁ったら、探し物である貸していたノートはすぐ見つかった。




   「あった、あった」




   部屋を出ようとしたとき、ふと目に入った写真。
   珍しいな、と思った。
   
   その写真たてには、修二と彰と信子が写っていた。
   楽しそうに笑っていた。とても、楽しそうだった。
   笑い声が聞こえてきそうなほど。




   「あとで焼き増ししてもらおうっと」




   そう思ったとき、おじさんが首を出していた。
   驚いて、写真たてを落としてしまった。




   「ケーキあるんだけど、どれがいい?」



 
   ショートとチョコとチーズと。
   おじさんは笑顔で早く、と急かした。



   「ちょ、チョコ!」

   「わかった。彰が待ってるから、早くおいで」



   おじさんが完全に降りていくのを見て、安堵の息を漏らす。
   何も疚しい事なんてしてないのに、酷く緊張した。

   力が抜けて、床にへたり込む。
   落とした写真たては割れてなかったが、中身が飛び出ていた。

   手を伸ばしてそれを拾う。
   一枚のはずの写真が、何故か二枚あった。下にもう一枚あったらしい。




   「・・・・・・っ!」


 

   三人の笑顔の下に、自分の泣き笑いの表情があった。
   恥ずかしくて、顔が熱る。
   涙を浮かべているけれど、自分でも驚くほど綺麗に微笑っていたのだ。




   (なに、これ、どういう・・・っ?)




   わざわざ、隠して。下に、そんな、えぇっ?

   なんで信子じゃなくて、私なの。
   彰がすきなのは信子でしょ。俺だけのものにしたい、って・・・。


   トントン、と軽快な音を立てて、彰が目の前に来た。
   はーやーくっ!なんて満面の笑みを浮かべていた彰だったけれど

   私の手の中にあるものを見て、眼を見開いた。
   と同時にの手にしている写真たてをひったくる。

   その顔はいつものようにおちゃらけたものではなく、すごく必死だった。
   耳が赤くみえたのは、もう夕方だからだろうか。



   「えっ、ちょっ、うわ、(みられちゃった?)」

   「あの、さ、三人の写真焼きましてくれる、かな」

   「っいいのよーん、修二君に明日、頼むぬ(まじのすけ?あぁどっちなぬ!)」



   噛み合わない二人。
   でも互いの頬が紅いのは、夕方だからじゃないと信じたい。




   (うわ、なんか、顔熱いって・・・っ)