購買で先輩にあえなかった・・・・。


   みてとれるほど、少ししょぼんとしている降谷にクスリと
   笑って、春市はその肩を叩いた。

   先ほど四限終了のチャイムが鳴り、これから食堂で昼食だ。

   


   「ほら、今日は降谷君の好きなかに玉でしょ?」

   「・・・うん」




   背中を押すようにして、二人は食堂へ向かう。
   階段を下っているとき、春市は赤茶の髪を見つけた。      




   「降谷君、先輩いるよ」




   ほら、と春市を前方を指差す。
   パンを銜えながら歩いているのは、友人の想い人。


   可愛い、と小さく小さく降谷が呟く。
   ・・・聞こえてるよー降谷くーん。




   「・・・面白い人だよね、先輩」

   「うん」




   こくり、と降谷は頷く。


  

   「先輩、キャプテンと幼馴染なんだって」




   兄貴が言ってた、と春市は微笑む。
   
     
   
  
   「・・・そうなんだ」




   降谷は、から視線を外さずに、小さく呟く。
   少し、しょんぼりしている。

   

 
   「それにね」




   春市は、悪戯に笑った。

 




   「キャプテン、彼女いるみたいだしね」




 
   えっ、と降谷は春市をみる。
   ・・・素直だなぁ、ホント。





   「だから、野球も恋も、頑張らないと」   





   クスクスと笑って、春市は空を見た。
   今日も気持ちのいい青空だった。