絶対からかわれるのはわかっていたけど。



   「御幸先輩」

   「ん?」



   この学校の人のこと、よく知ってそうだったから。
   食堂で食べた後に廊下でみつけて、声をかけた。   
 


   「あの・・・」


 
   本当なら、小湊先輩とか倉持先輩の方が知ってそうだし
   いいのかもしれないと思っていたけれど、この場ですぐバラされそうだし。
   理由をきかれても、困る。
   ・・・それに小湊先輩は、恐れ多くてきけない。


   

   「赤茶の髪で、よく購買にいる?・・・・あぁ」




   御幸は少し思案したあと、いった。





   「三年の先輩、だな。確か哲さんと同じクラスの」    
 



   名前を、知ることが出来た。
   この人はほんと、何でも知ってるな。まぁ多分女子なら。


 

   
   「先輩・・・」





   小さく呟くと、それはひどく甘美に聞こえた。
   あまい、あまい、洋菓子みたいな人。




   「ふぅん・・・」



 
   そんな降谷をみて、御幸は愉しげにニヤニヤと笑った。


    

   「あ、家もこの近所みたいだな」




   夜コンビニでも行ったら会うかもなー、と御幸はとても
   愉しそうに降谷を見つめる。・・・無視、で。
  





   「はい無視!」





 
   何だか今日は、いいことありそうだ。