それから、がロンと話すことはなかった。
ハリーはいつもと変わらないと言っていたが、ロンが彼女の姿を
間近でみることがなくなっていた。
今までずっと身近にいた彼女がいなくなり、喪失感が募った。
それが何を意味するかなんて考える余裕はなかった。
心の行方
どうしても傍にいるのが辛くて、ロンと距離を置いたのだが
何年もずっと傍にいた人が隣にいないのは妙な感じだった。
今、ロンの代わりに隣にいるのは、彼の兄である双子の二人。
ダンスを誘われたのは、ジョージだった。
次の授業の移動はハーマイオニーといこうとしていたのだが
彼女はなかなか見つからず、二人と一緒にいた。
憧れの二人が両方にいるのが信じられなかった。
しかし、いつものように騒げる気分にはなれない。
それがどうしてなのか、よくわからなかった。
あぁ、ロンのことを鈍感といえる立場じゃない。
「まさか、ロンの友達とはね」
はロンの家で暮らしていることが多いが、
大抵ロンやジニーの部屋で遊んでいるので、二人とは会ったことがなかった。
だから、ずっと憧れていた。
「「意外すぎ」」
まさに字の如く、口を揃えて言う二人に苦笑しかなかった。
もっとうまく笑いたい。
こんなにかっこいい人が自分の隣にいるというのに。
何をしているんだろう、私は。
いつもなら止まることなく出る言葉が出てこない。
いつもなら作らずともでる笑顔が出てこない。
感情が、何ともつけれず混乱する。
でてくるのは距離を置いた友人の笑顔。
(あいついつこんな美人つかまえたんだよ)
双子の心の声は、には伝わらない。
彼女の心を満たしているものが何か、二人にはすぐわかった。
フレッドがにぃ、と口の端をあげる。
「・・・なんで浮かない気分なのか、教えてあげようか」
「え?」
「誘ったときはあんなに喜んでいたのに、今は浮かない顔」
フレッドの言葉にジョージが続く。
表情は、新たな玩具を手に入れた子供。
「じゃあ答えは」
「「一つだ」」
君はロンが好きってことだろ?
いつもと変わらぬ口調で笑顔を向けられて、顔が熱くなった。
自分の心にあるものに名前がついてしまった。
つけまいとどこかで思っていた感情。
もう遅いというのに。気付きたくなかった。
本来ならすっきりするはずなのに、逆に胸が痛くなった。
そして、誘ってくれたジョージに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
世界が回るような感覚が走る。
罪悪感と何かに胸が押しつぶされそうだ。
「いいんだよ、姫は気にしなくて。こっちとしてはラッキー」
だからそんな顔しないで、と二人は
八の字に下がったの眉毛を突付いて笑った。